📅 開発期間: 2026年2月4日 〜 2026年3月3日(約1ヶ月)
🤖 AIコーディングアシスタント(Antigravity)を活用し、プログラミング経験がなくても約1ヶ月で本番運用可能なシステムを構築しました。
はじめに
起業すると避けて通れないのが事務作業です。
毎月の注文書を作成し、メールで送り、注文請書を受け取り、請求書を発行して…。取引先が増えるほど、この手作業は膨大になります。
有限会社Macplanningでは、この事務作業を効率化するためにEDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)システムを、AIの力を借りて自社開発しました。
「え、システム開発って数百万かかるんじゃ…?」
いいえ。AIコーディングアシスタントを使えば、プログラマーでなくてもシステムが作れる時代になりました。この記事では、その過程を順を追ってお伝えします。
1. きっかけ — 毎月の事務作業がつらい
こんな悩みがありました
- 📄 毎月の注文書を取引先ごとにExcelで作成してメール送付
- 📄 取引先から注文請書をメールで受領
- 📄 月末に請求書を作成して送付、または取引先から受領
- 📁 これらの書類を電子帳簿保存法に対応して保管する必要がある
- 📧 メールでのやり取りが煩雑で、「あの書類送りましたか?」の確認が頻発
理想の姿
【Before】メールと手作業の往復
自社 → メールで注文書送付 → 取引先
自社 ← メールで注文請書受領 ← 取引先
自社 → メールで請求明細送付 → 取引先
(毎月、取引先の数だけ繰り返し)
【After】EDIシステムで自動化
自社 → システムで注文書を発行(ワンクリック)
取引先 → ポータルにログインして注文書を確認・承認
→ 注文請書が自動生成
→ 月末に請求明細が自動掲載
→ 書類は全て法対応で自動保存
2. なぜAIで自社開発を選んだのか
選択肢の比較
| 方法 | 費用 | カスタマイズ性 | 開発期間 |
|---|---|---|---|
| SaaS(BtoBプラットフォーム等) | 月額数万円〜 | 低い(決まった機能のみ) | すぐ使える |
| システム開発会社に外注 | 数百万円〜 | 高い | 数ヶ月〜 |
| AIと一緒に自社開発 | ほぼ無料 | 完全カスタム | 数週間〜 |
AIコーディングアシスタントとは
最新のAI(Claude、GitHub Copilot、Gemini等)は、自然言語で「こういうシステムを作りたい」と伝えるだけで、プログラムのコードを生成してくれます。
- 💬 「注文書を管理するWebアプリを作って」
- 💬 「取引先がログインして注文を承認できるようにして」
- 💬 「PDF形式で注文書を自動生成して」
こんな指示を出すだけで、AIがコードを書いてくれるのです。
💡 もちろん、全くのプログラミング未経験だと難しい部分もあります。しかし、基本的なITリテラシーがあれば、AIのサポートで十分実現可能です。
3. 作ったシステムの全体像
EDI-MP(EDI MacPlanning)の機能
| 機能 | 説明 |
|---|---|
| パートナー登録 | 取引先がオンラインで会社情報・振込先を登録 |
| 注文書の自動発行 | 管理画面からワンクリックでPDF注文書を生成 |
| オンライン承認 | 取引先がポータルで注文内容を確認・承認 |
| 注文請書の自動生成 | 承認と同時にPDFの注文請書を自動作成 |
| 請求明細の掲載 | 月末に請求データを公開、取引先がDL可能 |
| 自動メール通知 | 注文発行時・請求確定時に自動通知 |
| 進捗ダッシュボード | 未確認の取引先が一目でわかる一覧 |
| 電帳法対応 | SHA256ハッシュで改ざん防止、7年間保存 |
技術スタック
| 項目 | 技術 | 選定理由 |
|---|---|---|
| フレームワーク | Django(Python) | AIが得意・情報が豊富 |
| データベース | PostgreSQL | 業務システムに適した堅牢性 |
| PDF生成 | ReportLab | 注文書・請求書のPDF自動生成 |
| サーバー | Docker + NAS | 自社NASでホスティング(費用ゼロ) |
4. 開発の過程 — AIとの共同作業
Phase 1: 要件定義
まずAIに「こういうシステムが欲しい」と伝えました:
「毎月の注文書・注文請書の作成とメール送付、取引先からの請求書回収を自動化する取引先ポータルを作りたい」
AIが要件定義書を自動生成。業務フローを一緒に整理しました。
Phase 2: 基本設計・DB設計
- データベースのテーブル設計
- 画面の一覧・遷移図
- ユーザー権限の設計(管理者と取引先)
Phase 3: 実装
AIに画面ごとに指示を出して実装:
- ログイン・認証機能 — 取引先ごとのアカウント管理
- 注文管理画面 — 下書き → 正式発行 → 承認のワークフロー
- PDF自動生成 — 注文書・注文請書のPDFテンプレート
- ダッシュボード — 進捗状況の一覧表示
- メール通知 — 各イベントでの自動通知
Phase 4: コンプライアンス対応
- 電子帳簿保存法: 承認されたPDFをSHA256ハッシュ付きで永続保存
- インボイス制度: 適格請求書発行事業者番号(T番号)のバリデーション
- 事務処理規定: 電子取引データの訂正・削除防止ルールを策定
Phase 5: NASデプロイ
自社のQNAP NASにDockerでデプロイ。クラウドの月額費用なしで運用可能に。
5. 現在の状況と次のステップ
現在のステータス
| 項目 | 状態 |
|---|---|
| システム開発 | ✅ ほぼ完成 |
| NASデプロイ | ✅ 完了 |
| 運用テスト | 🔄 準備中 |
| 取引先への展開 | ⬜ 今後 |
システムはほぼ完成していますが、まだ実運用には至っていません。現在は運用テストの段階です。テストが完了したら、取引先に実際に使っていただく予定です。
今後のブログ予告
- 運用テストの結果報告
- 取引先のリアクション
- AIで改善を続ける日々
6. まとめ — 起業家へのメッセージ
AIで業務システムを作るメリット
- ✅ 開発費用がほぼゼロ — AIコーディングアシスタントの利用料のみ
- ✅ 完全カスタム — 自社の業務に完全にフィットするシステム
- ✅ 自分で改善できる — 機能追加も修正もAIに相談するだけ
- ✅ NASで運用すればクラウド費用もゼロ
注意点
- ⚠️ 全くのIT未経験だと難しい部分がある
- ⚠️ 要件の整理(何を作りたいか)は人間がやる必要がある
- ⚠️ テストと運用は慎重に(特にお金が絡む業務システム)
伝えたいこと
「プログラマーじゃなくても、AIと一緒なら業務システムが作れる」
これは数年前には考えられなかったことです。起業家にとって、事務作業の効率化は本業に集中するために不可欠。AIという強力なパートナーを活用して、面倒な事務作業から解放されましょう。
この記事は有限会社Macplanningの実体験をもとに執筆しました。
EDIシステムの運用開始後、続報をお届けする予定です。
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